
近年、食品への異物混入や産地・消費期限の表示偽装等をきっかけに、食品の安心・安全への関心が高まっています。右の表は食品自主回収件数の推移を表したものです。食品の自主回収件数は2007年から急激に増加し、現在も年間約700件の食品自主回収が行われています。自主回収の約10%は異物混入が要因となっており、より本格的な異物混入防止対策が求められます。
| 年 | 自主回収件数 | うち異物混入が原因のもの |
|---|---|---|
| 2004年 | 213件 | 42件(20.7%) |
| 2005年 | 302件 | 27件(8.9%) |
| 2006年 | 237件 | 15件(6.3%) |
| 2007年 | 770件 | 96件(12.5%) |
| 2008年 | 845件 | 82件(9.7%) |
| 2009年 | 723件 | 53件(7.3%) |
| 2010年 | 701件 | 76件(10.8%) |
出典:(独)農林水産消費安全技術センターHP
日清エンジニアリングでは、約40年前から小麦粉バルクハンドリングシステムを全国に展開しており、これまで550基余りの施工実績があります。しかし、導入後30年以上経過した小麦粉バルクシステムでは、外部からの異物以外に、設備の老朽化に起因した異物混入リスクも考慮する必要が出てきます。
異物混入リスクは定期的なメンテナンスによって低減を図ることが可能ですが、昨今の安心・安全志向の高まりを考えると、積極的な設備改善を行い、製品の安全性をさらに向上させることが必要になってきます。「SPP(Safety Promotion Project)」は、設備改善により異物の混入・発生リスクを完全に解消させた、本質的安心・安全な小麦粉バルクシステムの実現を目指しています。
小麦粉バルクシステムは、製パン・製麺工場等、原料に小麦粉を用いる工場に導入されるシステムです。サイロに貯蔵した小麦粉を後段の製造ライン(ミキサー)の要求に応じて自動計量を行い、ミキサーまで空気輸送を行います。構成機器はサイロ、計量機、ブロワー等のサイロ下設備、ミキサー上部のレシーバータンクです。また空気輸送配管中には、異物除去を目的としたシーブまたはストレーナーが設置されています。

代表的な小麦粉バルクシステムフロー
SPPでは、これまでの小麦粉バルクシステムにおいて2つのポイントに着目しました。
(1)設備が「鉄に塗装」をした仕様であり、メンテナンスが不十分な場合には老朽化が進むにつれて異物発生リスクが高まる。
(2)従来のシーブ、ストレーナー(異物除去装置)では、目開きが大きく、確実な異物除去はできない。
SPPは、上記2つのポイントに「設備のステンレス化」と「インラインシフターの導入」で対応します。またコスト・工期を考慮し、『段階的なSPPの導入』を提案しています。
ステップ1では、これまでの異物除去装置に換えて、インラインシフターを空気輸送ライン中に導入します。当社が導入する米国グレートウエスターン社「インラインシフターQAシリーズ」は、AIB(米国製パン研究所)が必須とする原料管理基準である30メッシュ(0.6mm)の篩い分けが可能です。またAIB下部組織BISSCの認証を取得している唯一のインラインシフターです。インラインシフターの導入に併せて、その下流の配管・設備をステンレス化することによりミキサー以降の製造ラインへの異物混入リスクを大幅に低減します。
ステップ1では、最小限の費用と工期で高い異物混入防止効果が得られます。→「インラインシフターQAシリーズ」についてはこちら

ステップ2ではサイロ本体を含めた、インラインシフター上流の設備・配管をステンレス化します。ステップ2までを実現すると、全設備がステンレス製で、かつインラインシフターが導入されたシステムとなり、異物の混入・発生リスクが完全に解消されることになります。
ステップ1、2を実施することで本質的に安心・安全な小麦粉バルクシステムの構築が完了します。
